2009年の総括

2009年を総括しようとしても、12月中旬に起こった「親友の自殺」が鮮烈に思い起こされるのみである。

親友の自殺によって、自分自身の研究活動に疑問が生じてしまった。形而上学的な問いと、それに対する回答を求めて研究にいそしんできたが、その成果を実社会に換言することの難しさに直面し、自身の研究の意味を問い直す必要性に迫られた年の瀬。結局、結論のようなものを出せないまま、2010年に突入することになりそうだ。

新聞やテレビで、2009年の自殺率は、過去最悪であると報じている。これまでの自分であれば、そのような情報を聞いたとしても「社会の混迷」として片付けていただろう。しかし、親友の自殺以来、このような情報に接すると、他人事として片付けることができなくなってしまった。

親友は、死ぬ間際に私にメールを送信している。その中に、「生と死が等価である」という結論じみた文章が書かれていた。この文章は、自分の人生を通して考えなければならない課題となった。

そして、本日、母親の親友の孫が自殺した。

自殺することは、楽になるための手段として理解されているのかもしれない。しかし、自殺を考えてしまう人たちには、残された人々の気持ちをもう少し考えてほしい。死ぬ前に、できることは数限りなくあるはずだと思う。自分自身が生まれてきたこと、そして、生まれた後に数限りない人たちとの関係性の中で生きてきたことをもっと大事にしてもらいたいと切に思う。

自殺は、自身が最も愛する人々を不幸のどん底に落としてしまう行為である。そういう気持ちを抱いてしまった人たちは、もっと他者と会話してほしい。会話は何の解決にもならないかもしれないが、自分の愛する人たちと会話をすることで、愛する人たちの重要性を意識できると信じたい。そして、愛する人々との会話を通して、自分がしようとしている行為の結末を再び考えてほしい。

これが、2009年の私の総括である。